匂い袋 〜薫り・香り〜
香りに癒されたり、香りの想い出があったり、香りで印象付けたり…。
香水やアロマセラピー、お香などをはじめ、様々な香りが世の中にはたくさんあり、空間に広がる香りや身に纏う香り、持ち運びの出来るものまであります。
匂い袋(においぶくろ)、香り袋(かおりぶくろ)と呼ばれる小さな小袋。
常温で香る香原料を刻み、調合して袋に詰めたもの。
袋を身につけたり、室内に掛けて邪気を払う薬玉(くすだま)として使用されていました。
壁や柱に吊るして楽しむ匂い袋は、掛香(かけこう)と呼ばれ、禅僧の座傍にも用いられます。
日本では、正倉院に8世紀の『えび香』と呼ばれる匂い袋の原型が残されています。
当時は、経本や衣服の防虫・加香として用いられたそうです。
また、江戸時代には風情ある女性の嗜みとして広く流行した匂い袋には、“花袋”や“浮世袋”・“誰袖(たがそで)”などの名前で親しまれ、着物の帯締めに下げたり袂に入れたりして持ち歩いていたようです。
匂い袋の調合香原料は、白檀・丁子・桂皮・沈香・竜脳などが配合されています。
ココロを落ち着かせたい時、瞑想やヨガなどをする時など、日本の古き良き小物から薫る空間を作り過ごしてみてはいかがでしょうか。
マインドフルネスな時間作りに、私は持ち歩いて活用しています。
お香専門店で調合体験があるので、そちらもオススメです。
ー参考資料ー
・書籍:香が香る日本文化史 香千載
(発行所:光村推古書院株式会社)
・鳩居堂HP
・山田松香木店HP
・香老舗 松栄堂HP
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